
情報収集が得意で、新しいもの/興味関心のあるものにナチュラルにアンテナがたっている「収集心」。そんな収集心を上位資質にもつ皆さんは、AIとどのような関係を築いているのでしょうか?
私はあるとき、日常的にAIを取り入れている皆さんには、共通して「収集心」資質を持っている! ということに気がつきました。しかもその使い方が三者三様でありながら、マニアックに使いこなしている姿に驚きます。
もちろん私も日常的にAIにはお世話になっているのですが、次から次へと出てくる新しいAIについていけていない部分がありました。ところが収集心を上位に持つみなさんは、それを喜び楽しみ、ほくほくニマニマしながら、「思考の整理がすすむ!」「作業効率があがる!」「相談相手ができた」と新たなツールの出現を喜んでいるのです。
今回は、ストレングス・ファインダーの34資質のうち、「収集心」が上位にランクインする女性3名にお集まりいただき、それぞれのAI活用術について語っていただきました。
実はこの3名は「内省」も共通資質。情報を集めてくる、考えるを繰り返し、情報と思考の樹海に入りこむような状況に、AIが一石を投じてくれたようです。話を聞きすすめていくと「収集心×●●」によって、その使い方に違いがあることもわかってきました。
座談会メンバー紹介
Shihoさん(広告メディア法務担当)

収集心:3位→9位(2024年)
広告メディア業務の法務に従事しながら、副業で似顔絵の販売も。会社でのAI講習をきっかけに本格的にAI活用を開始し、カスタムAIボットを作成するなど独自の使い方を開発。
ガッキーさん(コーチ・企業研修講師)

収集心:2位
早期退職後、コーチや企業研修講師として活動。「毎日時間が溶けるようにAIに消えている」と語るほどAIを活用中。文章作成から思考整理まで、幅広くAIを使いこなしている。
まゆこさん(ライター)

収集心:1位
ライター業を中心に活動。デジタルコンテンツの作成から子どもの歯科矯正記録まで、日常的にAIを取り入れている。ウェブ解析士やAIパスポートなどの資格も取得し、地域のAI活用コミュニティにも参加中。
AIは収集心の強い味方!それぞれの活用事例
ストレングスファインダー®️の「収集心」を上位に持つ3人は、それぞれ異なるアプローチでAIを活用しています。今回のイベントで明らかになった共通点は、「とりあえず使ってみて、自分にとって便利! と思えたらガンガン(カスタムして)使う」という姿勢でした。
1. 情報のインプットはAIにおまかせ!効率的な情報収集術
情報収集において、3人それぞれが独自のアンテナを張り巡らせているのも興味深いところ。
3人がよく使うツールを聞いてみました!
主要な情報収集ツール
- ChatGPT:自分専用bot(GPTs)を作り、内省や壁打ちに活用
- Perplexity:精度の高い情報収集に活用
- Gemini:深掘り調査や技術的な情報収集
- LINE(AIトークサジェスト機能):対話をもとにAIがメッセージ作成をサポート
- Instagram・YouTube:AI活用事例の発見
「危機感からAIを使い始めました。YouTubeやInstagramでAI情報を見ていくと『使えなきゃやばいな』と思って。知らない単語が出てきたら、『このツールってどんなことができるのかな』って調べて広げていく感じです」(Shihoさん)
「自分に近いタイプの人がやっているものを真似すると結構うまくいったりします。その人がどうやっているかを抽出して自分で調べていったら、そのAIに行き当たりました」(ガッキーさん)
収集心的だなーと思うのは、「人のつながり」も活用しながら、情報が自動的に集まってくる仕組みを構築していること。初めて聞くAIもいくつも出てきたので、どうやってそのAIに辿りついたんですか?と聞いたところ、身近な人に「AIにハマっているんです!」と伝えることで、情報が集まってくる。AIを使っているコミュニティに意図的に参加したり関わったりしているなどと、それぞれが自然としている工夫を話してくださいました。
共通して使用しているAIもあれば、そうでないAIもあったのですが「そのAIは使ったことがない!」という名前がでてくると、皆さんの目がキラキラと輝いて「それって●●ですか」「ソース教えてもらってもいいですか」などと、その場ですぐさま情報収集&共有がはじまること。みんなが「収集心」を持っているという安心感もあったからかもしれませんね。
2. 収集した情報の整理・分析もAIでスムーズに!
収集心×内省の人が抱える共通の悩みは「情報が散らかってしまう」こと。3人はAIを使って、この課題を解決しています。
ガッキーさんの「梅干し工房」システム
- Obsidian : 自分の考えやメモをつなげて整理できるノートアプリ
- Gemini CLI : パソコン操作に慣れた人向けの、AIと会話できるツール
ガッキーさんは、ObsidianとGemini CLIを組み合わせて、まるで「梅干し工房」のような情報管理システムを構築しています。
「私の場合、散逸している情報(メルマガ、ブログ、noteなど)を『瓶』に詰めて、Obsidianという『作業場』にまとめるようなイメージで情報整理しています。この『瓶』を眺めているだけで自分が着想できるんです」(ガッキーさん)
過去5年分のブログ記事100本をマークダウン形式でObsidianにデータ化し、それをもとに新しい記事を作成する際は、Gemini CLIに「この記事とこの記事とこの記事を統合して新しい記事を作りたい」と壁打ちしながら進めているそう。実際のObsidianの画面と、Gemini CLIの画面を見せてもらったのですが、目の前でガッキーさんの脳みその中身を見せてもらっているみたい。記事もあっという間にできてみんなで大興奮!!
詳しい内容は、ガッキーさんのnoteにまとめられています ↓

ガッキーさんは、上位に「着想」も持っています。拡散していくアイディアをどうにか残さずとっておきたい、そんな声も聞こえてくるような体験談でした。
まゆこさんの実用的Notion活用
- Notion : メモやタスク管理をAIが手伝ってくれる便利なアプリ
まゆこさんは、Notionを使って日常生活の記録を自動化しています。
「娘の歯科矯正で、毎日の装着時間を記録する必要があったんです。手書きの記録表を渡されて、『そんなの無理』と思って(笑)。Notionで『つけた』『外した』というボタンと、ボタンが押された時間の差分を自動計算し、蓄積する仕組みを作りました」(まゆこさん)
この仕組みでは、ボタンを押すだけで自動的に時間が記録され、装着時間が計算されます。ほかにも、お仕事の案件管理でNotionを構築しているそうです。web解析士でもあり、AIパスポートも持つまゆこさんらしい使い方。「スマホでもそのまま動作するんですか?」「そのボタンはどうやって配置するの?」「私も早速やってみたい!」と、shihoさんもガッキーさんも大興奮でした。
3. AIとの対話で思考を深める
AIを「思考の壁打ち相手」として活用しているShihoさん。なんとなんと、自分とは異なるタイプで「理解が難しい」と思う相手をBOTで作成してしまう! という活用技を見せていただきました。
Shihoさんのカスタムボット活用術
- ChatGPTのGPTs カスタムBOT : 自分用にカスタマイズしたAIを作って相談相手にできる機能
Shihoさんは、ChatGPTのGPTs機能を使ってカスタムボットを作成し、家族や職場でのコミュニケーションの改善に活用しています。
「夫とのコミュニケーションのズレを解決するために、夫の口調や特徴を設定したボットを作りました。イライラしてそのままぶつけると喧嘩になっちゃうので、まずAIに相談して『そういう意図があったのかもしれない』という気づきを得てから対応するようにしています」(Shihoさん)
このbotには、パートナーの上位資質や特徴のほか、口調も指示をして調整しているそう。相手の行動や発言と、AIが導きだした答えは異なる可能性があるけれど、一度冷静になり、客観的に考えるとても良い仕組みです。
shihoさんのbotも、その場で動かしてもらいました。
「相談があります」のボタンからスタートすると、「え、なにあらたまって、、、」と、ご本人の口調でスタート(これもプロンプトで指示をいれてある!!)。
実際にあった体験から「どうしてこの場面であんなことをしたの?」と聞いてみると、botなりの答えを返してくるのですが、そのかえってくる答えがとってもその人らしい答えと理由がセットになっていて、「おおおぉぉぉぉ!!!」と、その場にいたみんなから声があがります。それもそのはず、ご本人のストレングスファインダー®️やその他アセスメント情報をいれてあるんですね。す、すごい!!!
調和性は相手と相談して合意点を導き出して前に進みたいという才能。
内省はじっくり考えて納得のできる本質的な解を得たい才能。
shihoさんは、両方を上位に持っています。
「どうしてそういう行動をとるのか」「本質的に解決に向かうには、どのようにしたらよいのか」とことん話し合いたいけれども、直接本人とやろうとすると対話が成立しない場面もあるのが現実ですよね。それを、このbotを相手に壁打ちしておくことで「相手がどうしてその行動をとるのか、ちゃんと理解して納得したい」の気持ちが落ち着いて冷静になれると話してくださいました。
思考整理のサポーター
ガッキーさんも、AIを「強力なサポーター」だと表現しています。ガッキーさんは、前述の『梅干し工房』のなかで、Gemini CLIと対話が欠かせなかったと話します。
「ObsibianにGemini CLIを組み合わせたことで、理想形を対話しながら構築できました。ターミナルという言葉がわからなくても、Geminiに聞けば答えてくれますし、必要なコードも、入力する場所も教えてくれます。私の判断が必要な場合は、ちゃんと立ち止まってくれる。パソコンの内部を勝手にいじったりはしない。まさに、信頼できる協力なサポーターです。
がっきーさんの場合、これまで自分の脳内にあっても、散逸されて取り出せなくなっていたのものが、そのままObsibianに再構築されて検索できる仕組みができたような感覚。AIは確かに便利ですが、ネットなど外にある情報を使ってブログなどのアウトプットをするのでは、自分の作品とは「別物」になってしまう感覚があったとのこと。「自分の脳みそ」から必要な要素を取り出して、アウトプットできる!! これは感動ですね。
収集心女子が語る、AIとの「いい関係」とは?
今回のイベント、みなさんがお互いにワクワクしていて、収集心がすごく喜んでいる様子がわかります。
みなさんの発言をもとに、AIとのいい関係をまとめると、このような共通点が見えてきました。
AIとのいい関係のポイント
- 個性を活かした使い方:3人それぞれ違う資質がかけ合わさり、生かされている
- 楽しみながら学ぶ姿勢:「時間が溶ける」ほど夢中!
- 継続的な実験:新しいツールが出たら試してみる好奇心
- コミュニティでの学び:同じような関心を持つ人たちとつながって情報交換
- 実用性重視:仕事や生活の課題解決に活用
まとめ
収集心を上位に持つ3名の女性から学べることは、AIとの「いい関係」は決して画一的なものではないということです。
それぞれが自分の特性や課題に合わせて、AIを思考の伴走者として活用しています。情報収集から整理・分析、そして思考の深化まで、単なるツールを超えて「共同作業者」として機能しているのです。
加えて印象的だったのは、みなさんが「試してみる」ことを躊躇しない点です。新しいツールが出れば試し、うまくいかなければ別の方法を探す。この柔軟性こそが、AIとのいい関係を築く秘訣なのかもしれません。
収集心を上位資質に持つみなさん、ご自分の才能を「これぐらい当たり前」だなんて思わないでくださいね。そして、ぜひご自身の活用法を教えてください(^ ^)
※この記事は、2025年7月に開催された座談会の内容をもとに作成されています。参加者の皆さんの了承を得て公開しています。
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