内向型には先天的、後天的の違いがある。内向型の脳の特徴や行動の違いを知ろう

内向型には、先天的なものと後天的なものがあり、先天的な内向型の場合、脳のつくりにも特徴があることが研究によって分かっています。

内向型は、環境や自分が意識して変えられる後天的な側面と、生まれ持った先天的な側面があることを知っておかなければなりません。先天的な内向型の特徴を持つ人が、無理に外向型として振る舞うことは大きな負担になってしまいます。

本記事では、内向型の特徴をさらに深掘りし、脳や行動の特徴の違いを知っていきましょう。

目次

先天的な内向型と後天的な内向型

内向型には、先天的な側面と後天的な側面の両面があると言われています。

アメリカの発達心理学者ジェローム・ケーガン教授の研究によって、生まれつき刺激に対して激しく反応する子どもと低反応な子どもがいることが分かりました。外部から与えられた刺激によって偏桃体が大きく反応したグループには将来内向型になる傾向があり、反応の小さかったグループは将来外向型になる傾向があると考えられています。

ここでは、先天的な内向型の脳の特徴や環境による変化について解説します。

内向型の脳の特徴

先天性の内向型には生まれつき異なる脳の特徴があると考えられています。

アメリカン・ジャーナル・オブ・サイキアトリーに発表された、アイオワ大学デブラ・ジョンソンの研究によると、「質問に回答する」という刺激が与えられた場合に、被験者の脳を陽電子放出断層撮影(PET)スキャンで観察すると、内向型の脳は外向型の脳よりも前頭葉および視庄への血流が増えていることが分かりました。

また、脳の記憶や問題解決、計画を司る部分の血流も内向型の脳の方が多く、より活性化していることが分かっています。

研究の結果から、先天的な内向型の場合、脳の特徴は外向型の脳とは異なると考えてよいでしょう。

先天的な内向型の気質は変わらない

先天的な内向型の場合、そもそもの脳の作りが外向型とは異なります。そのため、先天的な内向型の気質を無理に変えることは難しいでしょう。

内向型の人には、自分を変えたいと考える傾向がありますが、脳の作りの異なる外向型に自分を変えようとすることは大きなストレスを生じさせます。無理に自分を変えるよりも、内向型の自分の性格を受け入れて、内向型の性格を長所として活かしていくことを考えましょう。

ただし、内向型には生まれつきの先天的なものと環境などによって形成される後天的なものに別れます。遺伝子と環境が複雑に絡み合って内向型に影響するため、生活や環境が内向型の気質に変化をもたらす場合もあると考えられます。

内向型の普段の行動の違いを知る

内向型は、外向型との脳の構造や性格の違いから、職場や日常生活、そして集団行動における行動にも特徴が現れます。

具体的には、次のような行動の特徴が見られます。

  • 大勢でいるよりも一人になることで元気になる
  • 注目の的になることを避ける
  • 話すよりも聞くほうが多い
  • 口頭よりも文字のコミュニケーションを好む
  • グループよりもひとりでする仕事が好きで向いている

内向型の行動と選択の典型的な特徴を知り、自分の行動と照らし合わせて見るのも良いでしょう。

大勢でいるよりも一人になることで元気になる

内向型の人がエネルギーを消耗してしまった場合、大勢で過ごすよりも1人の時間を作ることで元気になる傾向があります。

内向型は外的な刺激の多い場所、とくに多くの人とかかわる場面では消耗してしまいます。消耗したエネルギーを回復するためには、1人になる時間が必要となり、1人で思考をしたり集中をしたりすることで元気を取り戻すことが可能です。

半面、外向型の人は他者とかかわることで元気になる傾向があります。たとえば、仕事でストレスが溜まったから大勢で飲み会をしてストレスを発散する、などは典型的な外向型の行動パターンであると言えるでしょう。

注目の的になることを避ける

脚光を浴びることを好まず、注目の的になることを避ける点も内向型の行動の特徴です。

前提として、内向型の行動の特徴には大勢でいるよりも1人の時間を大切にする傾向があります。そのため、注目の的となり、多くの人の視線に晒されることは、喜びよりも苦しみとして受け止められます。

また、内向型は自分自身の長所を過小評価している点も特徴です。そのため、仕事や自分の才能が認められて注目されたとしても、評価された理由が分からずに戸惑ってしまうケースもあります。

話すよりも聞くほうが多い

内向型は、自分自身のことを話すよりも、他者の話を聞く側にまわる傾向があります。

内向型は内気で人見知り、人と関係を作るのが苦手と誤解されていますが、1対1のコミュニケーションなら問題ないという人も少なくありません。また、内向型には傾聴する能力が備わっているため、聞き上手で話者のコアな悩みを引き出して信頼関係を築くこともあります。

半面、自分自身のことを他者に話すことは苦手で、強い言葉や表現を好まないために、腹を割って話すのが苦手という評価を受けるケースもあります。

口頭よりも文字のコミュニケーションを好む

内向型は、口頭よりも文字でのコミュニケーションを好む傾向があり、SNSやメールなどでのコミュニケーションを得意とする人が多くなっています。

内向型はとっさの雑談を苦手としています。そのため、雑談力も求められる対面、または電話でのコミュニケーションにストレスを感じる人は少なくありません。半面、文章でのコミュニケーションの場合は、事前に準備をすることができますので、ストレスなく会話を進めることができます。

グループよりもひとりでする仕事が好きで向いている

内向型は1人で集中する能力に長けている場合が多く、グループでおこなうチーム制の仕事よりも、1人でする仕事が好きで向いている傾向があります。

前提として、内向型は大勢の人とかかわることでエネルギーを消耗します。そのため、グループワークは常に消耗にさらされてしまうため、自分の能力を発揮することができません。半面、集中力は高く、1人で長時間作業をすることは得意としています。

ただし、内向型はチームでの仕事に向いていないわけではなく、傾聴の能力が高く、事前の調整を得意とする内向型はチームのリーダー向きの気質であるとも言えるでしょう。

MBTIによる内向型の診断

MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)診断とは、世界45ヵ国以上で活用されている、国際規格に基づいた性格検査です。

MBTI診断では、興味・関心の方向やものの見方など4つの指標で性格のタイプを診断し、性格を16のタイプに分類します。

指標①指標②
興味・関心の方向E(外向型)I(内向型)
ものの見方S(感覚型)N(直観型)
判断の仕方T(思考型)F(感情型)
外界への接し方P(知覚型)J(判断型)

指標では、興味・関心の方向が外向型か内向型かなど、性格や行動の傾向を診断します。

MBTI診断をおこなって、自分の興味・関心の方向が外向型なのか内向型なのか、また、16のタイプのうちどのようなタイプに当てはまるのかを試してみるのも、自分と向き合うきっかけとして良いのではないでしょうか。

内向型には遺伝や環境が複雑に影響する。行動の特徴を知って自身と向き合おう

内向型は遺伝や環境が複雑に影響し、先天的な内向型の場合、外向型とは異なる脳の特徴を持っていることが分かっています。

後天的な環境や、自分が意識することで内向型の性格に変化を与えるケースもありますが、元々、脳の特徴が違う外向型になろうと無理をすることは、大きなストレスとなってしまいます。

内向型の多くが外向型に憧れる傾向がありますが、内向型が短所、外向型が長所となる訳ではありません。内向型の行動の特徴を知ることによって、自分自身の性格と向き合い、魅力的な部分を伸ばしていくことが重要です。

※参考

「静かな人」の戦略書 ジル・チャン ダイヤモンド社
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 スーザン・ケイン著 株式会社講談社
一般社団法人 日本MBTI協会 https://www.mbti.or.jp/

「こうなりたい」は、自分らしさと根付くと静かなエネルギーを生むもの

私たちは「こんな自分になりたい」という理想を、多かれ少なかれ描いているのではないでしょうか。私自身はそうでした。その描いているものが、自分が自然体でいられないものであったり、自分のすすめやすいやり方とは異なる姿だったりして、とてもエネルギーをかけてそれを実現せねばと信じていました。

今思えば、その当時「こうなりたい」と思っていたのは、期待されている役割や周囲からの評価が高いものからなんとなく選んでいただけで、自分のアイデンティティとは異なっていたのだと思います。

コーチングを学び・自分自身がコーチングを受けるなかで「自分らしい進め方」があることに少しずつ気が付き、実践できるようになっていきます。ものすごく頑張らなくても、必要なエネルギーを湧き、取り組めるように変化していきました。

コーチングは「頑張るもの」というイメージがあるかもしれませんが、実は全く異なります。

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この記事を書いた人

期待された役割、刷り込みの役割を演じていると、傍目からみてどんなに恵まれた環境にいても、人は疲弊してしまいます。私自身「自分らしく生きる」「幸せとは」を追求し、仏教を学び、コーチングに出会いました。コーチングを通して、あなたが「あなたらしさ」を取り戻し、発揮していくお手伝いをいたします。

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